事業者の取り組み紹介

全日本空輸株式会社

ANAグループは、「エコ・ファースト企業」として、地球温暖化対策をはじめ様々な環境への取り組みを行っています。
今後もCO2削減を主とする地球温暖化対策をはじめ、3R 活動(reduce、reuse、recycle)、バイオ燃料導入に向けた取り組みなど、様々な活動を推進していきます。

1.機内誌のリサイクル

全日本空輸(ANA)では、毎月の月末月初に、全機内誌の交換を行います。「大量に廃棄される機内誌をリサイクルできないか」という現場の声をきっかけに、2008年から機内誌のリサイクルをスタートしました。

機内清掃の際に、機内誌「翼の王国」、「SkyShop」、「スカイチャンネル」を分別回収しますが、清掃時間が限られているため、全席から機内誌を回収し分別排出するのはひと苦労です。また、回収した機内誌を分別した状態でいかに効率よく運搬するかが課題であり、試行錯誤を重ねました。現在、ANAでは、機内誌専用回収トラックを清掃時間に合わせて機側に配備することで、効率良く回収・運搬できています。

回収された機内誌は、製紙会社へ搬入し、そこで再生された紙を「名刺」「時刻表」などに加工して、ANAグループ内で利用しています。

機内誌をリサイクルする前は、機内の雑多なごみと一緒に機内誌もギャベージトラックで廃棄していたため、トラックがすぐ一杯になってしまい、塵芥中継所まで何往復もしていました。リサイクルによって廃棄ごみが減ったことで、往復の負担も減り、ギャベージトラックの燃料削減にもつながっています。
この他、廃棄する機内誌を減らすための取り組みとして、需要変動をみながら、機内誌の発行・納品数をより最適量にするリデュースに向けた取り組みも検討しています。

2.バイオ燃料の試験採用

ANAが導入するB787型機の第7号機のデリバリーフライトに、使用済み食用油から精製されたバイオ燃料の混合燃料を使用しました。バイオ燃料を搭載して太平洋を横断したのは、ANAが世界で初めてです。バイオ燃料の15%混合によって、CO2排出量を同クラスの中型機B767と比べて約30%削減することができました。ANAは、2020年度までにバイオ燃料などの代替航空燃料の使用開始を目指しており、国内での研究開発を支援しながら将来も安定的に燃料を確保できるように努めていきます。

3.紙を減らそう『カミヘラキャンペーン』で約2.4トンの紙をリサイクル

ANAグループは、2012年12月から約2週間、「カミヘラキャンペーン」と題し、職場における紙資料の削減とそのリサイクルを全社で実施しました。
共有スペースでは、不要な紙、本、ファイルを整理し、キャビネットの使用棚数を削減する目標を掲げ、15.8%の棚数の削減に成功しました。

76.5棚(約15.8%)削減 キャビネットに新たな収納スペースが

キャンペーン前 全キャビネットの棚数 計483棚 → キャンペーン後 全キャビネットの棚数 計406.5棚

個人デスクでは、帰社時にデスク上に紙を残さない、足元のファイルも整理する、という目標を掲げ、部門長自らが各社員のデスクを評価したところ、以下のような結果になりました。

たいへんよくできました 79%
書類がスッキリ片付きました

キャンペーン前 → キャンペーン後

『カミヘラキャンペーン』を実施して、社員からは「10年以上前の、いらない資料がいっぱい出てきてびっくり!」「普段は無理!と思っていても、意外と減らせる事に気がついた!」などの声が寄せられました。また不要となった紙資源約2.4トンがリサイクル処理され、仕事のしやすい職場環境整理とリサイクル促進の両面でよい成果が得られました。
キャンペーン終了後も、会議ではプロジェクターを使用する、印刷物は最低限に抑える、印刷時はなるべく『2アップ』『両面』『白黒』印刷を心がける、などしてペーパーレス化に取り組んでいます。