地域と共生する空港づくり大綱

4.地域づくり

(1)計画的な地域づくりをめざして

(1)空港周辺地域における計画的な公共施設の整備

千葉県が策定した、地域づくりの基本となる成田空港周辺地域振興計画に基づく計画的な公共施設等の整備に対し、協力をしてまいります。

成田財特法に基づく空港周辺地域整備計画で整備することとしている公共施設などの整備については、国からの補助がより手厚くなっているところですが、同法は今年度で期限切れとなるため、同法の延長に向けて最大限の努力をします。

(2)騒音区域における計画的な地域づくり

千葉県は、騒音区域の計画的な地域づくりを進めるため既に騒特法に基づく航空機騒音対策基本方針の改定作業に着手し、平成10年度のできるだけ早い時期にその成案を得た後、都市計画決定手続きに入る方針と聞いています。国・公団としては、都市計画の早期設定に向けて地域の意向が十分反映されるよう、全面的に協力してまいります。

また、改定後の航空機騒音対策基本方針に沿って土地利用、施設整備が進められるよう、騒音用地の貸付などに取り組んでまいります。
さらに、騒音区域からの移転にあたって集団移転が行われる場合には、地元関係者の意向・計画を十分に踏まえ、移転先代替地の選定・整備を進めてまいります。

(2)交通網の整備

(1)芝山鉄道

地域整備の核となる芝山鉄道(東成田駅〜整備場前駅(仮称)間)については、地域の要望を踏まえ旅客の利便向上に資するため、京成電鉄との相互乗り入れにより都心と直結するよう既に計画が変更されています。また、本年1月から関係者の協力のもと工事が進められているところです。
 国・公団としましても、平成8年12月にお示ししました「今後の成田空港と地域との共生、空港整備、地域整備に関する基本的な考え方」に基づき一日も早い完成に向けて取り組んでまいります。

また、芝山鉄道の経営が安定し、地域の足としての機能を果たすことができるように、地方自治体や地域の空港関連企業とともに需要の拡大に努めてまいりたいと考えています。

さらに、芝山鉄道の芝山町中心部までの延伸については、空港南側地域の振興のための重要な拠点施設であることから、大量輸送機関としての鉄道特性を発揮できるよう空港関連施設の立地、住宅団地の整備など鉄道整備に呼応した地域振興が進められることが必要です。そのため沿線地方自治体をはじめとする関係機関とともに延伸ルート、経営安定方策を検討しつつ、需要の動向の観点から空港整備の進展にあわせ着実に実施してまいります。

(2)都心との空港アクセス鉄道整備

成田空港と羽田空港を結ぶ鉄道アクセスについては、本年11月から関係鉄道事業者により直通運転が行われていますが、これに加えて、平成9年度から直通アクセス調査を千葉県等関係者とともに実施しています。いわゆるB案ルートについても、この調査の中で実現方策を検討したいと考えています。

(3)平行滑走路等の整備に伴う道路整備

空港周辺地域の均衡ある発展を図るため、千葉県等関係自治体では空港を中心とする道路の整備に努めていますが、国・公団としては、平行滑走路予定地及び横風滑走路地区の地上通路予定地と平面交差している道路の地下道化、空港へのアクセス道路機能の強化、あるいは空港の活動により生ずる周辺道路の渋滞の緩和などについて次の対策に取り組んでまいります。

(a) 空港の北側を東西に横切る県道成田小見川鹿島港線は、現在平行滑走路予定地と平面交差しているため、平行滑走路の完成と時期を合わせて地下道化を図ります。地下道化にあたっては、将来の空港機能の拡大に伴う需要増を見込み小見川県道4車線化に対応してまいります。
(b) 空港の真中を南北に抜け、芝山方面と成田方面を接続する一般通過道路については、現在、地上通路予定地と平面交差していますが、これを地下道化するとともに、空港への出入交通と分離することによって交通の流れを円滑にし、一般通過道路としての機能を充実させます。
(c) 空港南側の芝山方面からの出入口を整備し、ターミナル地区や貨物地区に直接行けるようにします。

(4)その他空港隣接・周辺地域における道路交通対策

空港東側地域を中心として、周辺地域の活性化にとって大きなインパクトをもたらすこととなる首都圏中央連絡自動車道は、道路による空港アクセス機能の向上にも資するものであり、空港隣接地域におけるインターチェンジの設置を含め、その整備が促進されるよう関係機関に対して要請してまいります。

周辺地域の道路整備にあたっては、平行滑走路南側の道路整備(県道成田松尾線の延伸)と芝山鉄道駅に結ばれる道路整備が連携のとれた形で進められるように取り組んでまいります。

また、渋滞対策としては、空港隣接地域における道路交通の円滑化を図るため、空港南側千代田交差点及び空港北側入口付近の諸対策について、関係機関などの指導を得つつ対応していくほか、三里塚交差点の慢性的な渋滞を解消するために成田市が実施している成田市道南三里塚駒井野線整備事業に対応してまいります。

さらに、今年3月に開通した付替296号が開通するまでの間この代替道路として使用されていた空港南側の外周道路については、今後とも三里塚地区と空港を結ぶ地元の生活道路として存続させてまいります。

(3)国内線の充実

国際空港として国内線との乗継ぎ利便の向上や空港周辺地域をはじめとした東関東地域の人々の国内移動の利便に供するため、平行滑走路供用開始後の航空需要の動 向や地域の要望を踏まえながら、順次国内線の充実を図りたいと考えています。

(4)その他の地域振興

(1)観光振興

成田空港の周辺地域には、空港や航空博物館ばかりでなく成田山新勝寺、芝山仁王尊をはじめとした歴史的遺産や北総台地から九十九里海岸に至る豊かな自然が残されており、東関東地域の観光資源と連携して観光の振興を図ることが地域振興を進める上で有効と考えています。

我が国の表玄関である成田空港を地域の観光資源のPRの場として活用したり、各種イベントの開催への協力を行うことにより、地方自治体、観光関係団体等により行われる観光振興方策にも公団としても取り組み、また、空港関係の国際会議を誘致するなど観光振興に貢献したいと考えています。

(2)成田空港の機能の活用等

「空港づくりは地域づくり」という視点に立って、成田空港のもつ潜在的価値を活用し、地域社会に積極的に貢献したいと考えています。
 すでに、空港周辺のきめ細かな局地天気予報を地域に提供していますが、今後も、様々なかたちで地域に貢献していけるよう知恵を絞ってまいりたいと考えています。

その他、多機能型物流センターなど空港周辺地域の均衡ある発展に向けて地域整備が図られる場合にもこれに取り組んでいきたいと考えています。

(5)地域づくりのための施策の促進

空港の持つ可能性や活力を活用して空港周辺地域の均衡ある発展を促進する観点から、交通網や農業振興をはじめ各地域から提案された地域づくりの施策については、できる限り目に見えた形で早期に具体化することが肝要だと考えています。このため、関係地方自治体等と継続的に連絡協議を行い、連携を一層密にして、その計画の熟度や空港との関連性を踏まえつつ地域づくりを着実に進めてまいります。