事業者の取り組み紹介

日本貨物航空株式会社

日本貨物航空株式会社(以下、NCA)は、航空貨物業界の環境先進企業を目指して、航空貨物輸送によって発生するCO2排出量の削減、廃棄物の削減並びにリサイクル推進のため、日々の活動から全社一丸となって様々な活動に取り組んでいます。

1.環境にやさしい新型航空機の導入

2012年8月、NCAでは、現行機B747-400Fに代わる航空機として、環境にやさしい新型航空機B747-8Fを就航させました。同機は様々なところに最新技術を用いることで輸送性能・環境性能ともに非常に優れた航空機となっています。

NCAは、2005年から新型航空機導入の検討をすすめてきましたが、複数の候補機の中からB747-8F を選定した理由は、「運航効率」、「航続距離」、「貨物の搭載量」「環境への配慮」が他機と比較して優れているという点でした。

同機の大きな特徴として挙げられるのは、主翼の改良・新エンジンの搭載・胴体部分の延長です。主翼はB787の主翼と同様な形状に改良することによって、空気抵抗が減少し揚力も増すことから、燃料消費量を抑えることができます。

エンジンはB747-8Fの運航に最適なゼネラル・エレクトリック社製の最新型を採用することで、高い燃費効率と静音性が得られ、現行機と比べCO2排出量を約14%削減するとともに離陸時に発生する騒音エリアが約30%縮小されます。さらに、胴体部分を延長することによって最大貨物搭載量が16%増えており、「燃費は落とさずにより多くの貨物を遠くまで運ぶ」ことを実現しました。

また、B747-8Fの成田空港までの空輸においては、環境にやさしい燃料であるバイオ燃料(使用済み食用油を利用)を通常のジェット燃料に15%混合したものを、4基あるエンジンのうち1基に使用して運航を行い、実用化に向けた実証実験を行いました。

2.全社で環境活動推進

航空機による貨物の輸送は、今日の物流においては欠かせない存在となっていますが、航空燃料の使用によるCO2の発生や、輸送する貨物の保護目的で使用した各種輸送用補助資材より廃棄物が発生するため、環境に負荷をかける事柄については、日々の活動から出来るだけ軽減していかなければなりません。

NCAは継続的な環境の保全と改善を示した「環境方針」を定めて、全社で環境への取り組みを強化しております。毎年全ての部署では、CO2排出削減につながる燃料使用量の削減、電力等のエネルギ-使用量の削減、廃棄物の削減並びにリサイクル推進、環境法令の順守等など、各々の部署の活動に適した内容の「目標」を設定し、それをPDCAサイクルによって運用することにより、環境に負荷をかける事柄の軽減に努めています。