事業者の取り組み紹介

ANA成田エアポートサービス株式会社

ANA成田エアポートサービス株式会社(NRTAS)※1は、ANA成田空港を経営する総合ハンドリング会社として、お客様をご案内する旅客ハンドリング事業から、お荷物を運ぶ運送・貨物事業、機器・車両の整備・保守を行うエンジニアリング事業まで、地上支援における幅広い事業を行っております。

ANAグループでは、「エコ・ファースト企業※2」として、地球温暖化対策をはじめ様々な環境への取り組みを行っています。

※1 2013年10月、新東京空港事業株式会社、株式会社ANAエアサービス東京とANAエンジニアリング成田株式会社の3社が会社統合し、新たにANA成田エアポートサービス株式会社が発足しました。

※2 企業の環境保全に関する行動を促進する趣旨で、環境省が2008年4月に創設した認定制度。企業が環境大臣に対して、自らの環境保全に関する取り組みを約束し、認定を受ける。ANAグループは、2008年11月、運輸業界では初めてエコ・ファースト企業に認定されました。

1.電気自動車の積極的導入

NRTASは、2012年2月24日に成田国際空港における地上ハンドリング・サービス用業務車両に電気自動車MINICAB-MiEV(ミニキャブ・ミーブ)を導入しました。 NRTASでは、電気自動車とガソリン車を用途によって使い分けており、電気自動車は、主にパトロールや業務連絡車両として、1回の連続走行時間が比較的長い場合に使用し、大気汚染物質、CO2排出削減に努めています。制限区域での走行が主であることから、1日の走行距離は約20km程度であり、充電は普通充電(単相200V)で2~3日に1回の夜間充電でまかなうことができています。

ANA成田エアポートサービス株式会社
操作・運転上の注意や充電方法はマニュアル化されている
操作・運転上の注意や充電方法はマニュアル化されている

ANAグループは、成田国際空港での電気自動車の導入を皮切りに、計6台の電気自動車を導入しています(成田空港2台、羽田空港4台)。これらの車両を1年間運用することで、約10トン(杉の木約800本分の年間平均吸収量に相当)のCO2を削減することができます。同グループは、今後も全国の空港で電気自動車の導入を推進していくこととしています。

充電は原則として夜間、バッテリー残量が半分程度になった時点で行う
充電は原則として夜間、バッテリー残量が半分程度になった時点で行う
2.エンジンオイルの再利用(リユース)

NRTASでは、自社の航空機支援車両(GSE車両)について、月に1度エンジンオイルの交換を行なっていますが、環境への配慮として、エンジンオイルを精製し再利用する取り組みをスタートしました。 2011年11月、NTAS(現 NRTAS)とANAグループの車両等の整備・保守管理を行うANAエンジニアリング成田株式会社(現 NRTAS)は、他空港、他事業者に先駆けて、1号機となる据え置き型オイル精製機を導入しました。現在、地上ハンドリング作業用のトーイングタグ車約220台およびフォークリフト約80台分の使用済みエンジンオイル、年間約11,000リットルを精製し、再利用しています。 オイル精製機は、ヒーターを内蔵したタンク、不純物を取り除く遠心分離機、10ミクロンのフィルターを備えた濾過機から構成され、使用済みオイル投入から約2~3時間で濾過作業が完了します。 濾過された再生オイルは、オイルの品質を維持するため、新油と一定の割合(再生オイル80%:新油20%)で混合された後、再利用されます。 エンジンオイルは最大5回再生され、半年に一度の定期点検ごとに新油に交換されます。これまでも使用済みのエンジンオイルは、業者に引き取ってもらい、その後精製されて、別の分野・用途で再利用されていましたが、この取り組みによって、自社内で複数回循環する仕組みとなり、新油の使用量削減となっています。その結果、月に約900リットルものエンジンオイルを処分しなくてすみ、環境負荷削減と同時にコスト削減が図られています。 NRTASは、再利用エンジンオイルの性能を検証した上で、今後、他のGSE車両にも展開し、取り組みを拡大していくことにしています。

ANA成田エアポートサービス株式会社 ANA成田エアポートサービス株式会社
3.ハイリフトローダーの燃費改善

ハイリフトローダーは、コンテナやパレットを航空機の貨物室へ搭載するための専用機材で、貨物や手荷物コンテナをベッド(作業台)に搭載し、床面の動力搬送装置(ドライブタイヤ)により航空機へ積み込む事ができます。この機材はエンジンが稼働している間は、常に一定のエンジン出力を保っている状態であったため、作業時以外も高回転でエンジンが稼動しており、常に一定の燃料を消費していました。 そこで、NRTASでは、燃料使用量の削減のため、2011年夏から、所有する55台全てのハイリフトローダーについて、作業をする時にのみエンジンの回転数を上げる仕様に改造を加えました。これは、他空港での安全性と燃費の向上性の検証を経て、取り組みを開始したものです。これにより、作業の操作をしていないスタンバイ時にはエンジン回転数が下がるため、燃料消費の大幅な削減につながり、CO2排出量の削減にも寄与しています。

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