移動等円滑化取組計画書・報告書

高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成十八年法律第九十一号) 第九条の四(取組の計画)、第九条の五(取組の報告)、第九条の六(取組計画の公表)の規定に基づき、国土交通大臣が定める、旅客施設における移動円滑化のために公共交通事業者等が講ずる措置によって達成すべき目標及び当該目標を達成するために併せて講ずるべき措置に関し、各交通事業者の判断の基準となる目標に対する取組計画及び取組報告について、国土交通省へ提出しております。

同規定に基づき、国土交通省宛て報告を行った成田国際空港株式会社における取組計画及び取組報告については、以下のとおりです。

なお、成田空港で提供している具体的なサービスについては、成田国際空港公式WEBサイト上の「お手伝いの必要なお客様へ外部サイトに移動」をご覧ください。その他、成田空港において実施している様々な取り組みについては、「成田国際空港におけるユニバーサルデザインの取り組みについて」をご覧ください。

移動等円滑化取組計画書(2023年度)

令和5年6月30日 提出

〒282-8601
千葉県成田市成田国際空港内 NAAビル
事業者名
成田国際空港株式会社
代表者名
(役職名及び氏名)
代表取締役社長 田村 明比古

Ⅰ 現状の課題及び中期的な対応方針

  • 当社が管理・運営している成田空港は、報告書に記載の通り移動円滑化基準に適合し、かつ基準を上回る積極的なユニバーサルデザイン(UD)化を推進してきたところである。
  • 他方で、当社は社会的責任の高い交通を担う企業としてSDGsやESG経営に取り組んでおり、加えて、今後の国内外の高齢化の進展による将来の旅客構成変化に対応することは成田空港にとって大きな経営課題である。そのため、引き続き積極的にユニバーサルデザイン化を推進していくことの重要性は成田空港にとって極めて高い。
  • したがって、成田空港は障害者、有識者、空港関連事業者で構成される「成田空港UD推進委員会」における当事者参加による議論を中心としたユニバーサルデザイン化の推進を今後も継続・強化し、よりユニバーサルかつアクセシブルな空港を目指す。
  • なお、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響を受けて実施が先延ばしとなっていた当事者等による現地評価等は、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に移行になったことを踏まえて今年度中に実施し、引き続き当事者参加を前提としながら継続的に改善を図っていく予定。

Ⅱ 移動等円滑化に関する措置

1. 旅客施設及び車両等を公共交通移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置

対象となる旅客施設及び車両等 計画内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
エスカレーターの音声案内の整備 ・第2ターミナル(5台)に音声案内装置を設置する。(2023年度)
地下コンコース傾斜路勾配の改修 ・移動円滑化基準(1/12以下)に適合しているが、車椅子利用者等に配慮し勾配を1/15に改修する。(2023年度)

2. 旅客施設及び車両等を使用した役務の提供の方法に関し法第八条第二項及び第三項の主務省令で定める基準を遵守するために必要な措置

対策 計画内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
「公共交通機関の役務の提供に関する移動等円滑化整備ガイドライン 役務編」の周知徹底と教育研修への反映 ・国土交通省が策定する「公共交通機関の役務の提供に関する移動等円滑化整備ガイドライン 役務編」について関係部署に周知徹底を図るとともに、移動等円滑化を図るために必要な教育訓練においても、その対象や内容を考慮しつつ同ガイドラインの内容について反映し、適切な役務を提供する。(2021年度~継続的に実施)
空港内事業者との協力 ・極めて多数の事業者により運営される空港という交通インフラの特性に鑑み、当社のみならず空港内事業者全体において適正な役務提供を実施していく必要があることから、特に「差別的取り扱いの禁止」及び「合理的配慮の提供」等の基本的かつ重要な論点について空港内事業者との情報連携を行う等理解促進に注力し、成田空港全体としての適切な役務提供に努める。(2021年度~継続的に実施)

3. 高齢者、障害者等が公共交通機関を利用して移動するために必要となる乗降についての介助、旅客施設における誘導その他の支援

対策 計画内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
導入した各種UDツールの利用喚起 ・ご案内カウンターに配置したヘルプストラップや難聴者向けスピーカーなどの利用が必ずしも多いわけではなく、認知度も低いと考えられることから、利用喚起のためのPR活動を行う。(2020年度~継続的に実施)
「WHILL自動運転サービス」の利用促進 ・第1・2ターミナルの出国審査後の国際線出発エリアで2023年4月に導入したお客様向け自動運転パーソナルモビリティ「WHILL」の利用促進を図る。

4. 高齢者、障害者等が公共交通機関を利用して移動するために必要となる情報の提供

対策 計画内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
導入したコミュニケーション支援ツールの見直し ・昨年度までに導入した各種ツールについて、利用のされ方や施設展開などに応じて見直しを図る。(2020年度~継続的に実施)
WEBアクセシビリティの向上 ・NAAが管理する成田国際空港公式WEBサイトについて、「JIS X8341-3:2016」適合レベルAA準拠を継続する。(2018年度~継続的に実施)

5. 移動等円滑化を図るために必要な教育訓練

対策 計画内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
社員に対する研修 ・当社の全社員に対して、過年度対応も含めユニバーサルサービスセミナーを受講させる。(2019年度~継続的に実施)
・一方で、より幅広い社員を対象とし柔軟に受講できる手段として、eラーニングなど代替的な手段も取り入れながら定期的に研修を実施する。
空港全体にUDを浸透させる研修 ・空港スタッフ向けに講演会やUDセミナー等を実施するとともに、従業員向けwebサイト上でのeラーニング、ポスター等による啓発を継続する。(2019年度~継続的に実施)
職種毎のスキルを高める研修 ・ご案内カウンタースタッフに手話検定やサービス介助士の資格の取得を促進するとともに、手話研修を実施する。(2019年度~以降継続的に実施 ※2020年度はコロナウイルスの影響で中止)
避難誘導訓練 ・災害時において、障害者の避難誘導を確実に行うことができるよう、避難誘導訓練を実施する。(2019年度~以降継続的に実施)
併せて、資料等により緊急時における障害者等の避難誘導を適切に実施できるように、テナント等に周知・教育を図る。

6. 高齢者、障害者等が高齢者障害者等用施設等を円滑に利用するために必要となる適正な配慮についての旅客施設及び車両等の利用者に対する広報活動及び啓発活動

対策 計画内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
デジタルサイネージやポスター等を活用した啓発活動の実施 ・国土交通省が作成しているトイレ利用に関する啓発コンテンツや車椅子使用者用駐車スペースの適正利用に関して、既にデジタルサイネージやポスター等の媒体を用いた館内におけるお客様向け周知を実施しているところであるが、これを継続的に実施し、当該施設等の円滑利用の広報活動に努める。(2021年度~以降継続的に実施)

Ⅲ 移動等円滑化の促進のためⅡと併せて講ずべき措置

  • 成田空港UD推進委員会の下部組織として、障害者、有識者、当社社員で構成され、全般的な議論を行う「分科会」及び専門的な議論を行う「ワーキンググループ(WG)」を設置し、取り組みの具体的な内容について、当事者参加を前提として多様な視点で議論し決定するとともに、実施後には取り組みの評価(当事者評価・第3者評価)を実施し、必要に応じて改善することで継続的にUD水準を高めていく。
  • ・なお、社会環境により実施が延期となっていた評価にかかる空港内での現場確認については、2023年度中に実施する。

Ⅳ 前年度計画書からの変更内容

対象となる旅客施設
及び車両等又は対策
変更内容 理由
第1旅客ターミナル、第2旅客ターミナル 自動運転パーソナルモビリティ「WHILL」の導入と利用促進 2022年7月~8月の実証実験を踏まえ、「誰でも」「楽しく」「スマート」に移動できる新しいサービスを実現し、お客様に対して「成田ならでは」の特別な体験を提供するため本格導入。

V 計画書の公表方法

  • 成田国際空港株式会社ホームページ「移動等円滑化取組計画書・報告書」に掲載

VI その他計画に関連する事項

  • 中期的な対応方針や移動円滑化に関する措置に記載された事項については、原則として成田空港UD委員会にて議論され障害者・有識者とともに策定した成田空港UD基本計画に基づいているが、UD基本計画やそこに記載された具体的な取り組みについては、障害者や有識者との議論の中でその方策が変更されることがある。

移動等円滑化取組報告書(航空旅客ターミナル施設)(2022年度実績)

〒282-8601
千葉県成田市成田国際空港内 NAAビル
事業者名
成田国際空港株式会社
代表者名
(役職名及び氏名)
代表取締役社長 田村 明比古

Ⅰ 前年度の移動等円滑化取組計画書の内容の実施状況

(1)移動等円滑化に関する措置の実施状況

1. 航空旅客ターミナル施設を公共交通移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置

対象となる航空旅客
ターミナル施設
現行計画の内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
前年度の実施状況
エスカレーターの音声案内の整備 ・音声案内が設置されていないエスカレーターの一部について音声案内のための設備を設置する。(2020年度~) 第1ターミナルビル(6台)第2ターミナル(2台)第3ターミナル(5台)に音声案内装置を設置した。(2022年度)
居室型カームダウン・クールダウンスペースの整備 ・第3旅客ターミナルビル一般エリアに居室型のカームダウン・クールダウンスペース整備する。(2022年度) 第3旅客ターミナルビル一般エリアに居室型カームダウンスペースを設置した。

2.航空旅客ターミナル施設を使用した役務の提供の方法に関し法第八条第二項及び第三項の主務省令で定める基準を遵守するために必要な措置

対策 現行計画の内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
前年度の実施状況
「公共交通機関の役務の提供に関する移動等円滑化整備ガイドライン 役務編」の周知徹底と教育研修への反映 ・国土交通省が策定する「公共交通機関の役務の提供に関する移動等円滑化整備ガイドライン 役務編」について関係部署に周知徹底を図るとともに、移動等円滑化を図るために必要な教育訓練においても、その対象や内容を考慮しつつ同ガイドラインの内容について反映し、適切な役務を提供する。(2021年度~継続的に実施) 高齢者や障害者等に対する理解を深め、今後の施設改修・サービス改善等における知識と技術を習得させるため、体験型ユニバーサルサービスセミナーを実施。
空港内事業者との協力 ・極めて多数の事業者により運営される空港という交通インフラの特性に鑑み、当社のみならず空港内事業者全体において適正な役務提供を実施していく必要があることから、特に「差別的取り扱いの禁止」及び「合理的配慮の提供」等の基本的かつ重要な論点について空港内事業者との情報連携を行う等理解促進に注力し、成田空港全体としての適切な役務提供に努める。(2021年度~) 障害等への理解と適切な対応方法等を適宜確認・学習できるよう、空港内事業者向けのマナーブックにユニバーサルデザインに関する情報を掲載。

3. 高齢者、障害者等が公共交通機関を利用して移動するために必要となる乗降についての介助、旅客施設における誘導その他の支援

対策 現行計画の内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
前年度の実施状況
導入した各種UDツールの利用喚起 ・ご案内カウンターに配置したヘルプストラップや難聴者向けスピーカーなどの利用が必ずしも多いわけではなく、認知度も低いと考えられることから、利用喚起のためのPR活動を行う。(2020年度~継続的に実施) 空港施設ユニバーサルデザインセミナー(日本福祉のまちづくり学会事業委員会 他)や、難病の子供(そのご家族)を対象とした空港見学等において取り組み紹介を実施。

4. 高齢者、障害者等が公共交通機関を利用して移動するために必要となる情報の提供

対策 現行計画の内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
前年度の実施状況
導入したコミュニケーション支援ツールの見直し ・昨年度までに導入した各種ツールについて、利用のされ方や施設展開などに応じて見直しを図る。(2020年度~継続的に実施) 施設展開や運用方法の変更に応じて適宜ツールの見直しを行っている。
WEBアクセシビリティの向上 ・NAAが管理する成田国際空港公式WEBサイトについて、「JIS X8341-3:2016」適合レベルAA準拠を継続する。(2018年度~継続的に実施) 2022年12月に該当サイトにおいて「JIS X8341-3:2016」適合レベルAA準拠を達成。

5. 移動等円滑化を図るために必要な教育訓練

対策 現行計画の内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
前年度の実施状況
社員に対する研修 ・当社の全社員に対して、過年度対応も含めユニバーサルサービスセミナーを受講させる。(2019年度~継続的に実施)
・一方で、感染症の流行状況によっては集合研修が引き続き困難であることが想定されるため、その場合にはeラーニングなど代替的な手段により研修を実施する。
新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により未実施だった2020年度以降に入社した社員を中心とし、体験型ユニバーサルサービス研修を実施した。
空港全体にUDを浸透させる研修 ・空港スタッフ向けに講演会やUDセミナー等を実施するとともに、従業員向けwebサイト上でのeラーニング、ポスター等による啓発を継続する。(2019年度~継続的に実施) グループ会社社員を中心とした空港スタッフ向けに、UDへの理解を深めるための研修動画を作成した。またポスター等による啓発も例年に引き続き実施した。
職種毎のスキルを高める研修 ・ご案内カウンタースタッフに手話検定やサービス介助士の資格の取得を促進するとともに、手話研修を実施する。(2019年度~以降継続的に実施※2020年度はコロナウイルスの影響で中止) ご案内カウンタースタッフを対象にサービス介助士資格取得講習、資格試験、手話研修を実施した。
避難誘導訓練 ・災害時において、障害者の避難誘導を確実に行うことができるよう、避難誘導訓練を実施する。(2019年度~以降継続的に実施)
但し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により、大規模な訓練の実施が困難な場合も想定される。その場合でも、少人数での複数回実施や資料等により、緊急時における障害者等の避難誘導を適切に実施できるように、テナント等に周知・教育を図る。
新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じた上で、災害時において、障害者の避難誘導を確実に行うことができるよう、避難誘導訓練を実施した。また、障害者等の適切な避難誘導について書面によりテナント等に周知・教育を図った。

6.高齢者、障害者等が高齢者障害者等用施設等を円滑に利用するために必要となる適正な配慮についての航空旅客ターミナル施設の利用者に対する広報活動及び啓発活動

対策 現行計画の内容
(計画対象期間及び事業の主な内容)
前年度の実施状況
デジタルサイネージやポスター等を活用した啓発活動の実施 ・国土交通省が作成しているトイレ利用に関する啓発コンテンツや車椅子使用者用駐車スペースの適正利用に関して、既にデジタルサイネージやポスター等の媒体を用いた館内におけるお客様向け周知を実施しているところであるが、これを継続的に実施し、当該施設等の円滑利用の広報活動に努める。(2021年度~以降継続的に実施) バリアフリートイレや車椅子使用者用駐車スペース適正利用の啓発について、引き続きデジタルサイネージやポスター等の媒体を用いてお客様向け周知を実施した。

(2)移動等円滑化の促進を達成するために(1)と併せて講ずべき措置の実施状況

  • 成田空港UD推進委員会の下部組織として、障害者と有識者、当社社員で構成され、全般的な議論を行う「分科会」及び専門的な議論を行う「ワーキンググループ(WG)」を設置し、成田空港が行うユニバーサルデザインに関する取り組みの具体的な内容について、当事者参加を前提として多様な視点で議論を行った。また、取り組みの評価を実施し、必要に応じて改善することとしているが、今年度も新型コロナウイルス感染症の影響により空港内での現場確認が困難であったことから、当事者評価及び第三者定期評価については、感染状況を見極めつつ次年度以降の実施とすることとした。
  • 社内推進体制として、CS・ES推進部で全社UD推進における事務局を担い、上記会議の開催等を行った。

Ⅱ 航空旅客ターミナル施設の移動等円滑化の達成状況(航空旅客ターミナル施設ごとに記入)

航空旅客ターミナル施設の名称 所在都道府県
市町村
一日当たりの
利用者数 人
公共交通移動等
円滑化基準省令
適合の有無
段差への対応 搭乗ゲートの数 視覚障害者
誘導用ブロックの
設置の有無
案内設備の
設置の有無
障害者対応型
便所の設置の
有無
第1旅客ターミナル 千葉県
成田市
28,037 総数 59
旅客搭乗橋
設置数
( 39 )
第1旅客ターミナル
【参考】(CIQ)
千葉県
成田市
総数
旅客搭乗橋
設置数
第2旅客ターミナル 千葉県
成田市
16,302 総数 40
旅客搭乗橋
設置数
( 30 )
第2旅客ターミナル
【参考】(CIQ)
千葉県
成田市
総数
旅客搭乗橋
設置数
第3旅客ターミナル 千葉県
成田市
11,871 総数 20
旅客搭乗橋
設置数
(0)
第3旅客ターミナル
【参考】(CIQ)
千葉県
成田市
総数
旅客搭乗橋
設置数
(合計)
計3ターミナル 総数 119
旅客搭乗橋
設置数
( 69 )

Ⅲ 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律施行規則第6条の2で定める要件に関する事項

要件事項 設置管理の有無
(1)過去3年度における1日当たりの平均利用者数が3万人以上の航空旅客ターミナル施設を設置又は管理している。
(2)過去3年度における1日当たりの平均利用者数が3000人以上3万人未満の航空旅客ターミナル施設を設置又は管理していて、かつ、以下のいずれかに該当する。
1. 中小企業者でない。
2. 大企業者である公共交通事業者等が自社の株式を50%以上所有しているか、又は自社に対し50%以上出資している中小企業者である。
 

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