航空保安対策

2001年9月の米国同時多発テロ発生以来、成田空港においても対策強化のために様々な対策を講じてきています。

国土交通省航空局は、ICAO国際標準(第17付属書)への適合を図るため、「国家民間航空保安プログラム」を策定しています。また、同様に策定した「空港保安規程(空港保安管理規程(セキュリティ編))ガイドライン」に基づき、NAAは「成田国際空港保安管理規程(セキュリティ編)」を制定し2005年から適用しています。この規程は、成田空港およびその関連施設の全ての航空保安対策措置とその実施者の役割を明確化し、安全な航空輸送に資することを目的としたものであり、成田空港における保安の礎となるものです。

お客様自身と機内持ち込み手荷物の保安検査については、従来から実施していたX線検査装置や金属探知器による検査に加え、2006年8月にロンドンで発生した液体物爆破テロ未遂事案を受け、2007年3月からは液体物の量的制限も導入されています(国際線のみ)。また、2010年には、国土交通省航空局がボディスキャナーの実証実験を成田空港で行い、NAAもこれに協力しました。

受託手荷物の保安検査については、インラインスクリーニングシステムを導入しています。これは手荷物搬送装置(BHS)に最新型の爆発物検査装置(EDS)を組み込んだシステムで、これにより保安レベルの更なる向上と、スムーズなチェックインが可能になっています。

各航空会社も追加的な保安対策の強化を図り、ハイジャック等の不正行為の防止に努めています。万が一事案が発生してしまった場合は、NAA、国土交通省成田空港事務所、空港警察署、航空会社運営協議会など21機関で構成される成田国際空港保安委員会の下に「合同対策本部」を設置し対応することとしています。事案発生に至らない場合であっても、必要に応じNAAに対策本部を設置し、空港内の保安警備強化を図ることとしています。

施設上の保安措置としては、旅客ターミナルビル制限区域内は検査済の出発のお客様と、到着のお客様が混在しないよう、動線の完全分離を図っています。

空港従業員等についても、制限区域に立ち入る際は金属探知器などによる保安検査を受けることを義務付けています。

現在、世界的にテロ対策のための各国のセキュリティコストは増大しており、米国をはじめ欧州・アジアの主要空港ではお客様からセキュリティチャージを徴収しています。

ICAO・ACI(国際空港評議会)においては、今後も世界的にテロの脅威は続くと予測しており、セキュリティ財源の確保は重要事項となっています。このような状況のなか、成田空港においても、新たな検査機器の導入等に伴い保安費用はさらに増大することが見込まれることから、今後も万全の保安体制を維持するため、2009年11月より新たな料金設定として「航空保安サービス料(PSSC)」を導入しました。金額は、出国のお客様および国際線乗り継ぎのお客様の大人・小人ともに1人あたり550円(税込)としています。

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