環境の監視

NAAは空港内活動による環境への影響を極力抑制するため努力しており、その一環として、騒音・大気・水質などを常時または定期的に測定しています。

これらの測定値につきましては「円卓会議」の合意事項に基づき、NAAの地域相談センターなどで積極的に公開しています。

航空機騒音測定

NAAは、航空機が離着陸時に発生する騒音の実態を把握するために通年の測定と短期の測定を実施しています。

通年の測定は、航空機騒音測定局によるもので、1978年の開港当初から年間を通じて24時間連続で監視測定を行っています。2002年3月までは17局でしたが、02年4月の暫定平行滑走路の供用に併せ、新たに16局を設置し、合計33局となっています。(2013年は計34局を運用)

短期の測定は、「騒防法」(注1)に基づき指定された第1種区域、第2種区域および第3種区域の騒音実態を把握するために、その境界付近の地点において、夏季と冬季(一部、春季と秋季)に連続した7日間ずつ実施しています。

なお、航空機騒音の評価単位としましては、「騒防法施行規則」および「航空機騒音に係る環境基準」の改正に伴い、2013年4月よりLden (注2)を用いています。

  • (注1) 騒防法:正式名称は、「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律(昭和42年法律第110号)」
  • (注2) Lden:Level day evening nightの略。「時間帯補正等価騒音レベル」の意味で、日中・夕方・夜間の時間帯ごとに測定した騒音レベルを各時間帯に応じて重み付けした上で合計し、一日あたりの定常音としてならした航空機騒音の評価指標

営業騒音等

 

(1)営業騒音(空港場内地上騒音)

成田空港を離着陸する航空機から発生する騒音以外で、空港の運用に伴い場内から発生する騒音(航空機エンジン試運転時の騒音、APU[航空機補助動力装置]使用時の騒音等)の実態を把握するため、2000年2月に空港内外の8ヵ所に営業騒音測定局を設置し、年間を通じて24時間連続で監視測定を行っています。

(2)低周波音

航空機のエンジン試運転を行う際に発生する低周波音の状況を、毎年定期的に測定しており、これによると、低周波音による空港周辺への影響はほとんどないものと考えられます。

飛行コース

成田空港を離着陸する航空機が飛行コースを遵守しているかを監視するため、開港以来トランシット(測量用の機器)などを用いて空港の北側および南側地域で毎年度各2回(3日間/回)程度航空機の位置を目視測定し、航跡図を作成してきました。

しかし、この方法では、航跡図の作成・公開までに時間がかかり、悪天候時の航跡の把握ができないなどの不都合があったため、1998年3月から国土交通省の管制レーダー情報を活用して航跡図を自動作成するシステムを整備しました。

1999年2月からは、航空機騒音影響範囲の拡散を防止する目的で「飛行コース幅」を設定し、システムにその監視機能を付加して監視を開始しました。飛行コース幅を逸脱した航空機についてはその理由を運航者に問い合わせ、合理的理由がない場合は当該便名を公開し、必要に応じ国土交通省から指導・監督が行われています。

なお、2015年9月から航跡情報公開システムを整備し、便名・飛行位置・航空機型式等の情報をインターネットで公開しています。

大気質保全

成田空港では、空港の諸活動が空港周辺の大気に与える影響を把握するため、空港内外6カ所に大気質常時測定局を設置し、常時測定を行っています。

水質保全

成田空港では、雨水排水が空港周辺の河川の水質に影響を与えないよう、水処理施設の適正な設置・運用や、汚水と雨水を別々の系統で排水する「分流方式」を採用したり、万一油分が混入しても問題ないよう油水分離施設を設置するなど、水質を保全するための取り組みに力を入れています。

地域環境委員会

学識経験者からなる地域環境委員会は、成田空港にかかわる環境問題に関する重要な事項を調査審議するため、総裁の諮問機関として1994年12月に設置され、2004年4月の民営化後も社長の諮問機関として継続開催されています。

(1)調査審議事項

  1. 成田空港の建設および運用に伴い生じる騒音、大気、水質などの測定および評価に関する事項
  2. 成田空港における環境管理システムに関する事項
  3. その他の成田空港にかかわる環境問題に関する重要な事項

(2)開催状況

これまでに、「成田空港周辺環境測定結果報告書」、「成田空港周辺緑化基本計画」、「環境とりまとめ」、「エコ・エアポート基本計画」、「成田空港の更なる機能強化における環境影響評価」などについて審議されました。

環境情報の公開

環境に関する情報を皆さまにわかりやすく公開するため、騒音・大気質等に関する環境情報公開システムを整備し、1998年4月から地域相談センター等で公開しています。また、2009年4月には、公開内容を見直し、パソコンからインターネットに接続すれば、いつでも、どこからでも公開情報をご覧いただけるようシステムを全面的にリニューアルしました。

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