電気系

14,500の道標を、絶やすことなく灯し続ける。

安全な航行を支える航空灯火。
その光を絶やさない、電気系技術者たちの使命感。

空港を照らす膨大な数の航空灯火、
その安定稼働を365日、支え続ける。

かつて、岬を照らす灯台が船乗りたちにとっての“守り神”であったように、空港を彩る航空灯火は、航空機の安全で快適な航行に欠かせない道標と言える。パイロットに空港の位置を示す「飛行場灯台」をはじめ、着陸時の進入を補佐する「進入角指示灯」、滑走路の正確な位置取りを補佐する「滑走路灯」や「滑走路中心線灯」、誘導路の地上走行を補佐する「誘導路灯」・・・さまざまな機能と役割をもつ航空灯火の数は、成田国際空港全体でおよそ14,500個にも及ぶ。

旅客数や発着回数が増え続けるなか、安全な航行を維持するために重要度を増し続ける航空灯火。その一つひとつが、航空機の安全を支える“命綱”であり、夜間はもちろん、雨や霧などで視界が悪い場合は昼間でも、絶えることなく空港を照らし続けている。そうした安定稼働を支えているのは、航空灯火そのものはもちろん、それらに電気を供給するための受変電設備も含めてトータルに、かつ厳格に管理する電気系技術者たちに他ならない。

厳格な基準のもと、
航空灯火の信頼性と持続性を担う。

多種多様な航空灯火の色や配列、光学特性や電気特性といった要求性能は、国際的な統一基準によって、設置場所や目的ごとに明確に定められている。電気系技術者は、こうした国際基準や航空法などのルールに則り、すべての航空灯火を定期的に点検し、要求性能を満たしているかどうかを厳しく見定めている。劣化やその傾向が見られた設備は直ちに交換や修理を行うとともに、耐用年数に達した設備については改良・更新計画を立案、実施。これら点検や工事の結果はデータベース化され、その分析によって、それぞれに適合した点検周期を定め、確かな品質を維持している。

また、広大な空港の各所に設置されている航空灯火や受変電設備の運用状態をリアルタイムに把握する監視制御設備を備えており、異常が生じれば直ちに検知し、予備器への切り替えが可能だ。さらに、万一の停電に備えてバックアップ用電源を整備するなど、多様な観点から、絶やすことが許されない設備の安定性と信頼性を支えている。

より良い航空灯火のあり方を求めて、
電気系技術者の挑戦に終わりはない。

航空灯火をはじめとした電気設備に対する社会からの要求は厳しいものがあり、近年では信頼性や持続性に加えて、地球環境への配慮も求められている。特に、世界に先駆けて“エコ・エアポート”の実現を目指すNARITAにおいては、消費エネルギーの削減が課題の1つとなっている。

その実現に向け、現在、電気系技術者が注力しているのが航空灯火のLED化だ。LED光源への切り替えは、省エネだけでなく信頼性の向上にも寄与するが、膨大な数の航空灯火すべてを切り替えるのは、一朝一夕ではいかない。用途ごと、機能ごとに国際基準との整合性を照らし合わせながら、着実に切り替えを進めている。

安全・確実で信頼性が高く、地球環境にも配慮した灯りの実現に向けて、電気技術者の挑戦は今も続いている。だが、LED化の達成がゴールではない。NARITAが世界に冠たる空港であり続けようとする限り、よりよい航空灯火、よりよい電気設備を追求する彼らの挑戦に、終わりはない。

Job Rotation電気系のジョブローテーション

空港施設における電気設備の重要性は高く、電気系技術者には、その日常的な維持管理だけでなく、計画的な導入・更新によって絶えず最適な状況を維持することが求められる。このため電気系社員は、主に「空港計画部」「整備部」「滑走路保全部」「施設保全部」の各部署を約2~3年のスパンでローテーションし、幅広い経験を積むことになる。電気設備について基本計画から設計、工事、保守、管理まで、一連の業務フローをトータルに経験できるのは、NAAならではの魅力と言えるだろう。